第076回 中部地方 : 自然環境
第076回 中部地方:自然環境
まず、本文を読む前に、中部地方といえば黒部ダム。
富山県立山町にある日本一の高さなんと、186m、長さは492m。
地図帳でどの辺にあるのか探してみてください。
見つけましたか。見つけられない人は、どうしたら見つけられるでしょうか。
大切なのは、教科書の丸暗記ではありません。
調べる達人になってください。
わからなくて当たり前。
大切なことは、『分からないことを理解すること』
そのためには、上手に調べることができること!
勉強は、自分自身でするもの。
人に聞いてばかりでは、成績があがるわけがありません。
大切なことは、調べ上手になることなのです。
話がそれましたが、この黒部ダムに限らず、最近はダムの建設工事がありませんね。
そうなんです。ダムの建設費ってものすごく高いんです。
しかも、危険で大掛かり、その地域一帯の自然の体系を崩す、
世界的に少雨傾向にあるなどさまざまな問題で最近は全くと言っていいほど
ダムの建設はありません。
クリーンといえば、クリーンなのですが、火力や原子力に頼っているエネルギー。
これから、どうなっていくのでしょうか。
この黒部ダムは、大きく、景観を損ねないようにさまざなな工夫がされています。
是非、サイトに入って、観光シーズンには、生の放水シーンを見られますよ。
さて、全国に対する中部地方の面積、人口、それから、農産物の産出額の割合、
工業生産額、年間の商品販売額、産業別就業人口の割合もチェックしておくと
これからの学習に役立ちます。
さて、話をもどして、
日本アルプスと呼ばれる山脈があります。
飛騨山脈、木曽山脈、そして、赤石山脈。
どの順番で南北に連なっていますか。
東からいくと…
赤石山脈→木曽山脈→飛騨山脈
大丈夫ですか。ちゃーんと、調べてくださいね。
それぞれの高さを確認しましょう。
高さを確認するためには、何をみたらよいでしょう。
そう、地図帳をみてみましょう。中部地方の部分を確認してください。
ちなみに、
赤石山脈には北岳があります。標高、なんと3193m。
木曽山脈には駒ケ岳があります。標高、なんと2955m。
飛騨山脈には、あの黒部ダムの位置する近くの立山、標高、なんと3015m。
それにつづいて、穂高岳、標高、なんと3190m。
乗鞍岳、標高、なんと3026m。
もうひとつおまけに、御嶽山。標高、なんと3067m。
どうです。日本アルプスが…『日本の屋根』って呼ばれてもおかしくない理由が分かりましたね。
しかも、火山がたくさん。
富士山や浅間山。
浅間山の噴火については、江戸時代を歴史的分野で勉強した時にでてきたと思います。
浅間山の噴火がききんにつながったこと、
間接的に江戸時代の経済や政治を狂わしたこと、
学習したと思います。
学習したことを関連付ける力、つけてくださいね。
物事を総合的にみる力につながりますから。
全体をみる力、これからの社会を生き抜くためには
大切な力です。身につけましょう。
3000m級の山々が連なるこの中部地方。
交通網の整備はどうだったのでしょうか。
トンネル、峠の連続のはずですよね。
そりゃ、そうでしょう。
いちいち、頂上まで行ってから降りるなんてことしますか。
山梨県に住んでいる人が岐阜県に住んでいる親戚を訪ねたいって思ったら、
赤石山脈を越え、木曽山脈を越え、そして、飛騨山脈を越えるルートか、
遠回りをして、富士山の脇を通って海岸線をずーと、岐阜まで行かないとだめですよ。
やでしょ。そんなことするの。
疎遠になっちゃうってわけ。
しかも、山梨県は内陸県。海に面してないですよ。
そんな県の住人がわざわざ、海に出たがるでしょうか。
はなはだ疑問ですよね。
もちろん、山梨県から石川県に行こうって思うのも至難の業です。
電車も新幹線も何にもないですから。
徒歩で『とほとほ』歩いてみてください。
『とほとほ』が『とほほ』になり、しまいに汗が『とほとほ』垂れて
疲れ果ててしまうことでしょう。
体力をつけて、おにぎりとたくあんをもっていけば大丈夫!
なんて、意気込んでいる人は、やってみてください。
それが、地域の調査ですね。
昔の人がどれだけ大変だったかわかることでしょう。
実際にやってみると良いですが、おうちの人にきちんと言わないと
『家出』になってしまいますから、気をつけましょう。
歩いて調査するのも大切ですが、こんなに歩かなくていいですよ。
夏休みを利用しても、終わりませんから。
想像すれば、すぐにわかることですよね。
でも、難民の人たちは、これ以上に歩いていますよ。
シリアから地中海を渡るルートは危険でお金がかかります。
ユーチューブには、亡くなった子どもを抱きかかえる動画が
アップされましたね。
それくらい、危険なんです。しかも1000km以上を徒歩でとほとほ。
おとなはいいですが、こどもは、たまったものではありません。
GPS搭載のスマホが普及した現在、
難民も迷わなくなりました。
だから、多くの難民が発生したとも言われています。
また、話がそれましたが、
山梨県から石川県に行くのも大変ですよね。
できることなら、行きたくない。
昔は、そう思う人が多かったと思います。
『旅に出る』…ということの意味の重さが今と違うことが分かりますよね。
どっかで、『野たれ死ぬ』なんてことも日常茶飯事だったことでしょう。
具合が悪くなっても救急車は来ないですよ。
車、ない時代ですから。
LINEで呼ぼうなんてしても無駄。
インターネットはおろか、携帯電話もない時代ですから。
これは、ほんの一例ですが、
こういう風に想像すると…
中部地方の人々は、他地域との交流がそれほどなかったかも…
って考えられますよね。
そして、教科書の本文にもどればよいのです。
そこには、こう書いてあります。
太平洋側の東海地方、日本海側の北陸地方、そして、真ん中、日本アルプスのある中央高地。
この三つに分かれて、独自の文化や産業が発達してきたのです。
つまり、気候をとってみても、太平洋側、日本海側、中央高地で違います。
冬に晴天の多い太平洋側(東海地方)、雪が多い日本海側(北陸地方)。
それに対して、夏の気候の差がない太平洋側と日本海側。
なぜでしょうか。
それは、中部地方が太平洋からはりだす高気圧におおわれるためです。
ただ、中央高地はちょっと違った気候になります。
さっき日本アルプスの山々の標高を調べましたよね。
まさか、調べてない、なんてことないですよね。
調べてくださいね。3千メートル級の山々が連なっていることが分かると思います。
標高が気候を決定しますから。
標高が100m高くなると、0.6度から0.7度低くなるんです。
登山したことがある人は分かると思いますが、
夏でもセーターとか準備していかないとだめな理由はこのためです。
というわけで中央高地の夏は他の地域に比べて涼しい気候になるというわけです。
ほら、標高を調べたかいがありましたよね。
無駄な作業ってないんですよ。
だから、軽井沢=避暑地。
東京や名古屋から沢山の観光客で交通渋滞、なんてニュースがよく流れますよね。
やだやだ、交通渋滞にはまっちゃうと
来なきゃよかったって思うのは私だけでしょうか。
いま、書いたことは、もう学習しているはずです。
太平洋側の気候、日本海側の気候、内陸性の気候として学習しました。
もちろん…
太平洋側の気候 = 東海地方
日本海側の気候 = 北陸地方
内陸性の気候 = 中央高地
輪中地帯が濃尾平野にありますが、
これは、洪水から村や田を守るために堤防を築いて
それが輪のようになっているからですよ。面白いですね。
写真で確認しておきましょう。
さて、中部地方にはいくつの県がありますか。
正解は、9つです。
新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、長野県、山梨県、愛知県、そして、静岡県。
それぞれの位置を確認しておきましょう。そして、それぞれの県の形も確認しておくと
受験のとき、困りませんよ。
それから、さっきからでてきている中部地方の三つの地方に9つの県をあてはめてみましょう。
まずは、北陸地方から。
新潟県、富山県、石川県、福井県の4つ。
では、中央高地は、
山梨県、長野県、岐阜県飛騨地方。
では、東海地方は、
愛知県、静岡県、岐阜県美濃地方。
でも…なんです。
中部地方を勉強するとちょっと、この『地方』が難しいんです。
甲信越地方として、関東の一部のように紹介されることの多い
山梨県、長野県、新潟県。
東海地方に含まれてる三重県。
あれー、おかしいじゃないですか。
そうなんです。地域のつながりが強い地方を含めたいという思いからこういうことが起きちゃうんです。
たとえば…
名古屋市-三重県。
関東・東京-新潟県。
関東・東京-山梨県。
経済的につながりが強い地域をその地域に含めてしまうということでしょうか。
そして、川についても学習しておきましょう。
日本アルプスから流れ出た木曽川、富士川は太平洋に注いでいます。
日本アルプスから流れ出た信濃川、神通川は日本海に注いでいます。
この河川の上流には、
甲府盆地、松本盆地。
この河川の下流には、
濃尾平野、越後平野。
盆地も平野も平地ですよ。
その違いもこの機会に調べておきましょう。
今回は、日本の中央に位置する中部地方の自然環境について勉強しました。
自然環境と密着している人々の生活。
地形や気候を勉強しながら、さまざまなことを連想すると…
丸暗記せずにいろんなことを吸収することができます。
それでは、次回まで、さようなら。